こんにちは 今日はアマゾン川流域の熱帯雨林についてです。
北アメリカやヨーロッパの森林は古いもので1万1千年ほど前に産まれたそうですが、アマゾンの熱帯雨林は、6500万年以上前に生まれたと考えられています。その為、温暖な気候と豊かな水に恵まれ他の地域とは比べものにならない程多くの種類の植物が生息し、1ヘクタール(10000m2)中に約90種類の木が生えていると言われています。
熱帯雨林は、高さによって樹冠(じゅかん)、低木層、林床部(りんしょうぶ)の三つの部分に分けられます。
樹冠は、地上から30〜60mの部分です。ここは日光が良く当たるので高い木が生い茂り、森の屋根であり多くの生物の住み家となっています。
低木層とは、樹冠の下にある低い木が生えている場所で、日照不足の為成長しきれない若い木がたくさん生えています。光が樹冠で遮られる為暗く湿っています。
林床部とは、地表当たりのことで落葉や枯れ枝で覆われています。
アマゾン川の熱帯雨林は大きく2つに分類され、1つはテレフィルメと呼ばれ雨季でも水に浸かることのない乾いた大地に広がる林で、これが全体の98%を占めています。
もう一つが、バルゼアと呼ばれ雨季に水没してしまう林と、一年中水に浸かっているイガッポ林です。
テラフィルメ林は、空からみると空中にある緑の絨毯のようですが、土地は栄養分に乏しく痩せています。その為、木々は細い根を地表に浅く張り巡らされているのは、枯れて腐った植物の成分が土にしみ込むと素早く吸収して貯える為です。なので一回伐採してしまうと、痩せた草地やサバンナしか残らず、急速に砂漠化してしまうそうです。
一方のバルゼア林とイガッポ林は低い木が多いため地表に光が届き、土が柔らかく簡単に倒れないよう板根(ばんこん 写真参照)と呼ばれる板のような根で木を支えています。
バルゼアとは、ポルトガル語で「平らな流域」と呼ばれ、川が運んだ豊富な養分をふんだんに含んだ肥沃な土地です。昔はバナナの栽培、今はアセロラの栽培が行われていますが、自然との付き合いは今も難しいようです。
18世紀以降この熱帯雨林に見せられた多くの科学者が、調査の為にアマゾン川を訪れました。その中でも、リチャード・スプルースは、15年間アマゾンに滞在し7000種類の植物標本を作製し、ヘンリーベイツは、11年間アマゾンに滞在し1万4700種の爬虫類、鳥類、昆虫を採集。そのうち8000種が新発見だったそうですから本当に素晴らしい。しかしアマゾンでの研究活動は想像を絶するもので、熱帯性の病気と闘いながら、キャッサバと魚だけを食べ研究を続けられたそうです。
未だに新しい植物等が見つかるアマゾンは、本当に生き物の宝庫。地球の宝ですね。